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源泉かけ流しとは?泉質の違いとニセコの湯|硫黄泉と塩化物泉、掲示の見方(温泉法)
ニセコHUB編集部 · 2026/10/14

「源泉かけ流し」とは、浴槽に新しい源泉を注ぎ続け、あふれた湯を再利用せずに流す方式のこと。ただし温泉法に決まった定義はなく、業界や慣用で使われてきた言葉です。その意味と、ニセコ・倶知安の湯がどんな泉質なのかを知ると、いつもの湯めぐりがぐっと面白くなります。この記事では、温泉の基本の言葉と、この土地で味わえる湯の個性を、公式の情報にそって整理します。
この記事は2026年10月9日に、環境省などの公的な情報と各施設の公式ページで確認しています。泉質や掲示の内容は施設ごとに違うので、実際の湯は現地の掲示で確かめてください。入浴の作法そのものは日本文化ガイド【第1回】でも触れています。
そもそも「温泉」とは|温泉法の定義
温泉法では、地中からわき出る温水などのうち、源泉の温度が25度以上あるか、決められた成分(溶存物質の総量が1キログラムあたり1,000ミリグラム以上など)を一定以上ふくむものを「温泉」と定めています。つまり、熱くなくても、成分が基準を満たせば温泉です(出典:環境省 温泉の定義)。この定義があるおかげで、「温泉」と名乗る湯には、ちゃんとした裏づけがあります。
「源泉かけ流し」と「循環ろ過式」の違い
「源泉かけ流し」は、浴槽に新しい源泉を注ぎ続け、あふれた湯は再利用せずに流す方式を指すのが一般的です。ただ、この言葉は業界や慣用で使われているもので、温泉法に決まった定義があるわけではありません。だから「かけ流しだから最高」「循環だからだめ」と単純には言えません。
循環ろ過式は、浴槽の湯をろ過装置に通し、消毒して浴槽に戻す方式です。湯の量を節約でき、温度や衛生を管理しやすいという利点があります。源泉の量や温度には限りがあるので、どちらを選ぶかは施設の事情によります。自分が入る湯がどちらなのかは、次に説明する浴場の掲示を見れば分かります。
掲示を見れば分かる|加水・加温・循環・消毒
浴場の入り口などには、温泉法にもとづく「温泉成分等の掲示」があります。源泉名、泉質、分析した年月日、適応症や禁忌症などが書かれています。このうち分析した年月日は、その成分表がいつ時点のものかを示すもの。かなり古い日付なら、今の湯と成分が少し変わっていることもあるので、そこも頭の片隅に置いておいてください。さらに2005年の改正で、(1)加水しているか、(2)加温しているか、(3)循環装置を使っているか、(4)入浴剤の添加や消毒をしているか、の4点を掲示することが義務づけられました(出典:温泉法の掲示について(愛知県衛生研究所))。
つまり、かけ流しか、加水や循環があるかは、この掲示を見れば判断できます。初めての湯では、脱衣所に入る前にこの表示をのぞいてみてください。その湯の素性が、ひと目で分かります。掲示は難しそうに見えますが、泉質とこの4項目の表示だけ押さえれば十分です。
泉質をざっくり|単純・塩化物・硫黄…
泉質は、環境省の指針で十種類に分けられています。単純温泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉、硫酸塩泉、二酸化炭素泉、含鉄泉、酸性泉、含よう素泉、硫黄泉、放射能泉です。全部を覚える必要はありません。
色やにおいで分かりやすいものだけ挙げると、硫黄泉は卵が傷んだようなにおいがして、白く濁ることがあります。含鉄泉は空気に触れると赤褐色に濁りやすい湯です。塩化物泉は塩分をふくみ、体がよくあたたまるといわれます。単純温泉は成分の総量が少なめで、肌ざわりがやわらかいことが多い湯です。同じ「温泉」でも、泉質が違えば表情はずいぶん変わります。
ニセコ・倶知安はどんな湯?|硫黄泉と塩化物泉
ニセコ・倶知安一帯の面白さは、性格の違う湯が近い範囲にそろっていることです。山あいの五色温泉や、大湯沼を源泉とする雪秩父は、硫黄泉系。白く濁ったり、日によって色が移ろったりと、見た目にも「温泉らしい」湯です。においや肌への刺激も強めなので、小さな子や肌の弱い人は無理をしないでください。
いっぽう、ニセコ昆布温泉やニセコ駅前の綺羅乃湯は、塩化物泉や炭酸水素塩泉の系統が中心です。見た目は透明なことが多く、体の芯からあたたまる、しっとりした湯あたりが特徴です。綺羅乃湯は単純温泉(低張性弱アルカリ性)と掲示されています。にごり湯から透明な湯まで、ひと巡りで泉質の違いを味わえるのが、この土地の贅沢なところです。雪秩父の源泉である大湯沼は、湯けむりを上げる迫力ある景色で、立ち寄って眺めるだけでも見ごたえがあります。各施設の正式な泉質やかけ流し・循環の別は、現地の掲示で一度確かめてみてください。
入る前のチェックと、適応症・禁忌症
掲示には「適応症」として、どんな症状に向くと考えられているかが書かれています。ただし、これは「必ず効く」「病気が治る」というものではありません。逆に、入らないほうがよい「禁忌症」もあります。体調が悪いときや、持病が気になるときは無理をせず、長湯を避けて、水分をとりながら楽しんでください。
よくある質問
源泉かけ流しと循環、どちらがいいですか?
一概には言えません。かけ流しは新しい湯を楽しめますが、循環は温度や衛生を保ちやすい利点があります。「源泉かけ流し」に法律上の決まった定義はないので、掲示を見て、自分が入る湯の方式を知っておくのがいちばんです。
にごり湯は、どうして色がつくのですか?
多くは成分によるものです。硫黄をふくむ湯は白っぽく濁ることがあり、鉄分をふくむ湯は空気に触れて赤褐色に濁りやすくなります。色や濁りは、その湯の個性のあらわれです。
ニセコで硫黄泉に入れるのはどこですか?
山あいの五色温泉や、大湯沼を源泉とする雪秩父などで、硫黄泉系の湯を味わえます。アクセスや冬期の時間は変わるので、行く前に各施設やニセコのおすすめ温泉14選で確かめてください。
掲示を一度読めるようになると、どの湯も、ぐっと面白く感じられます。夏の湯めぐりはニセコの温泉、夏こそもどうぞ。
— ニセコ Hub 編集部